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『ファッションとは愛にあふれ、刺激的で楽しく、自由であるべきだ』
西海岸スタイルを日本に広めた立役者であるロンハーマン、洋服に対する愛情は並々ならぬものを感じる。
ミスターデニム&スニーカーと呼ばれるほどに造詣の深い選択眼は、40年以上経った今でも衰えることはない。
そんなロンハーマンが2013年に満を持して世に送り出したのが、自身の名前を冠したブランド『Ron Herman Denim(ロンハーマンデニム)』
ロンハーマンデニムは、1976年に創業したロンハーマンの集大成的な位置付けのブランドラインナップの一つになる。
40年以上に渡り、第一線で活躍してきた経験に裏打ちされた『究極のデニム』、実際にそのクオリティはどんなものなんだろう?
日本でも大人気のロンハーマンについて、手持ちデニムを評価してみることにした。
ロンハーマンデニムは最高品質?
ロンハーマンデニムを初めて購入したのは2013年、今のアイビーズプレイスに移転する前の二子玉川高島屋1Fに店舗があったとき。
ブラックデニムの価格は当時39,800円だったと記憶するが、正直ファーストインプレッションは「クソ高いデニム」でしかなかった。
ロンハーマンデニムの価格帯
ロンハーマンデニムの価格帯に関しては、20,000円台後半~50,000円台とプレミアムデニムと呼ばれるゾーンに位置している。
日本を代表するデニムブランドであるレッドカードやKUROが19,000~30,000円だから、ワンマーク高いところに位置するのがロンハーマンデニム。
なんでこんなに高いの?
金額に裏打ちされた価値があるのであれば、価格は意味を成さない。
「絶妙なヴィンテージジーンズの雰囲気を完璧に再現してるから」
基本的に高級デニムたる所以は、その色落ちの加工によるところが9割を占める。でも、一番におすすめしたいのは、今回紹介する『Ronherman denim raw』
加工ものが大半を占める中、なぜローデニムを紹介するのかも含め、話を進めていく。
ロンハーマンデニムのシルエット
ロンハーマンデニムのメンズモデルは、美脚シルエットじゃないから勘違いしないでね。
傍から見て、良く見えるように計算されたパターンを持つヤヌークとは違う。
スタンダードなストレートシルエットに、若干の修正を加えたスリムストレートがベースライン。
高いデニムだから美しいシルエットを持つ、そんな幻想は今すぐ捨てよう。
3本も買った私が言うのもなんだが、ある程度背が高い人でないと似合うとは言えないかな。
だったら買うなと言われそうだが。
ロンハーマンデニムをレビュー
ファーストロンハーマンデニムを購入してから5年の歳月が過ぎた。
今のデニムは2年前に購入した後に、少し履いては放置を繰り返していたもの。
価格は27,000円(税別)、リジットの何とも言えない藍色に心を奪われてしまったのだ。
今の私の体型ではギリギリ履けるか履けないかのサイズ感になってしまったが、今回、久しぶりにロンハーマンデニムを履いてみて思うことを、レビュー形式で紹介させていただく。
選定の一助となれば幸いだ。
ワンウォッシュから半年経過の状態
リジットの状態を紹介できないのが残念ではあるが、ワンウォッシュも良い感じにこなれてきた。でも、もう少し洗わないで我慢ができたら・・・
トータル着用期間が半年なので、6ヶ月間毎日履いてきたわけではないので勘違いしないでね。
シルエットは2年前でタイトなスリムストレートだったが、今は少しピタッとし過ぎている感は否めない。
裾幅はブーツにも合わせられる万能な17.5cm幅、13ozとAPCと比較して若干薄い生地なのでゴワつきはそれほど感じない履き心地。
白い革パッチ
ロンハーマンデニムのブランドアイコンとして、白い革パッチはひとつのポイントになる部分だろう。
ローデニムの状態にホワイトレザーの革パッチは相性がとても良い。
ここもひと目見て心を奪われてしまったポイントの一つ。
ただ、HTCのベルトを常時着用していたからか、茶色い汚れが付着してしまうのは避けられない。
味が出るというよりは、汚れてしまうことを考えると白でなくても良かったかなーとも思う。
店頭で見たパリパリのリジットデニムに、ホワイトレザーの革パッチが映えるのは間違いない。
今では売り手側に立ったとしたら、やっぱり白を採用するなと自分を納得させている。
ブランドタグ
『RON HERMAN DENIM』
ブランドタグは腰周りの裏地中央に白いタグで縫い付けられている。
2016年当時ロンハーマンデニムのデザイナーは、親交の深いサイモンミラー氏。
2006年に自身のプロダクトを始めてから、10年間で培ってきたデニムに関する全ての技術を投下した集大成的な位置づけになる。
サイモンミラー自身もロンハーマンデニムを最初に買うのであれば、おすすめはローデニムというほど完成度は高い。
日本のワビサビの精神にも通じる部分も多く感じるしね。
一番好きなデニムは洗っていないローデニム。ローデニムが持つクオリティーが好きなんです。例えば日本のセルビッチのデニムや、RHDのローデニムが持つオーセンティシティー、折り畳んだ時の雰囲気、脚へのなじみ方とか。
誤解しないでほしいのですがもちろん、僕はウォッシュのデニムも好きだし、自分が開発してきたウォッシュが好きです。でも、もしどれかを選べと言われたらそれは完璧なローデニム。RHDで使っているローデニムのクオリティーはまさに完璧なローデニムだと思います。
もしデニムを一つだけ買わなければいけないというのであれば、最初にローデニムを買うことをお勧めします。by Simon Miller
デザイナー自身のコメントが示す通り、ファーストロンハーマンデニムを選ぶのであればリジットがベスト。
ここは私も同意見だ。
セルビッチ
他のデニムとの差別製が難しい中で、ポイントになるのがセルビッチの部分。
通称『赤耳』とか呼ばれるポイントになるのだが、ロンハーマンデニムは青いセルビッチを採用している。
これはダルチザンデニムのSD-107も同様の仕様、細かい部分になるとはいえロールアップした際のワンポイントになる。
バックポケット
バックポケットの形状はシンプルにノーステッチのデザイン。
シルエットや素材は完璧なのに、変なステッチデザインで差を付けようとする他ブランドとは違いシンプルにまとめている。
私はあまりステッチデザインが入ったものが好きではないので、このシンプルさも選定のポイントになっている。
バックポケットの大きさもバランスのとれたサイズ感になってるね。
Made in USA
ロンハーマンデニムはアメリカ製、日本の生地を使ってアメリカで生産されているようだ。
ローデニムの品質は、さすが日本製といったところ。
このまま履き続けたら、ヴィンテージデニムのような最高の色落ちが再現される予感みたいなものを感じる。
27,000円という価格に対する期待も込みで考えているのかもしれない。
痩せることも目標に掲げているので、このまま定期的にロンハーマンデニムの経過観測をお伝えできればと思う。
まとめ
ロンハーマンデニムを久しぶりに履いてみて思うことは、リジットジーンズはおすすめできるということ。
本記事で紹介しているスリムストレートモデルは、様々なジーンズブランドの代表作と比較しても見えないこだわりが詰まった一品。
リジットデニムの最有力候補であるAPCよりも、価格面が若干ネックにはなるがリセールバリューを考えても損はしないはず。
履き心地は硬めとはいえ、オンスは軽いしこのまま履き続けて育てて行きたいデニムのひとつ。
見えないのは、このまま1年経過したときの色落ち具合のみ。
その辺は定期的にレポートするので、今しばらくお待ちいただきたい。
そもそもロンハーマンって終わってない?
そもそもの話、ロンハーマンてまだ流行ってるの?
そんなことを疑問に思う人も、中にはいるかもしれない。
ロンハーマンはこのまま日本に定着していくのか、そのへんについて書いた記事が以下になる。
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