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経年変化が財布に与える影響は革質や、使われる素材によって大きく異る。
この自然なエイジングによって、財布そのものの真価が問われると言っても過言ではないだろう。
使い込むほどに味が出てくるものもあれば、短い期間で味出しをすることもなく駄目になるものある。
私は平均5年くらいの感覚で財布を買い替えている。
難しいのは一度手にすると、長いもので5年・10年使うことが予測される財布の未来の姿が見えづらいこと。
ここは価格で判断できない部分なので、ブランドで選んでもあまり意味がない。
経年変化の具合が事前に分かれば良いんだけど、ブランドによってはそんなことやってないしね。
経年変化が財布に与える影響と、エイジングによる楽しみ方について話をさせていただく。
財布の楽しみは経年変化?私物のエイジング具合を披露
ボッテガヴェネタ
ボッテガヴェネタの財布は、32歳の時にかみさんにプレゼントでいただいたもの。
40になるまで使ったので、エイジング期間は8年になる。柔らかいカーフを使って作られているせいか、耐久性に問題があったように思う。
実質6年半くらい使ったところで、小銭の収納部ジッパーに取り付けられていた革紐が破損する。
革の内部の白いヒモが見える状態にまでなったため、ちぎって捨ててしまった。
おかげで小銭を取るのにやけに時間が掛かるようになり、それでもだましだまし使っていた。
画像表面革部分の右上箇所が特に劣化していることについては、通勤定期を収納していたため頻繁に出し入れしていたことが原因だと思われる。
経年劣化が良かったのは5年目くらいまでで、それ以降はよく見ると厳しい状態だったのかもしれない。
エイジングというよりは劣化という言葉の方が相応しいのかもね。
ボッテガの財布の中で、この長財布を選んだことには理由がある。
お札を折らずに収納できることが財布選びの一番の優先順位だった。
その中で長財布という選択肢があり、年齢的にも少し大人なものを身に着けようという意識が芽生えたことも大きかった。
そして、大きなコインポケットが2つあること。
小銭を500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨のポケットと10円、5円、1円に分けることでレジ前でスムーズに取り出せるようになった。
当時結婚前だったこともあって、ハードワークをしていたかみさんは残業代が半端なく、かなりバブリーな羽振りの良さを見せていた。
ボッテガの財布を選んだ理由は、彼女の羽振りの良さも起因していると思う。
5年目に入るくらいまでは、経年変化を感じさせる具合だったんだよね。
新宿伊勢丹でいくつかの種類で迷ったが、手に収まる感覚と革の柔らかさが気に入ってこの財布に行き着いた。
長財布とはいえ、他のものよりは長すぎるということもなく、デザインはユニセックスなんだけど、そこまで女性っぽくもない。
様々なブランドの長財布を見ていく中でも、特にバランスの面でこの財布に勝てるものが当時は無かった。
ように思えたわけだね。
収納部も適度に豊富だったし、シンプルなデザインでほとんど言うことがない。
何よりもボッテガヴェネタ自体が、日本に上陸してそれほど時間が経って無かったからか、特にステータス的要素を含んでいた時期ということも潜在意識的にあった気がする。
財布の価格はかわいくないが、使い心地は非常に良かった。経年変化を楽しむことができたのは5年間ほど。
それ以降は経年変化というよりは、単純な劣化が目立つようになる。
革質自体がエイジングに向かないと言うのが結論なんだな。
ルイ・ヴィトン
ルイ・ヴィトンの二つ折り財布は、ボッテガの財布を使用する前に使っていたものだ。
試用期間は27歳から32歳までの5年間、肌身離さず持っていたのがこの財布。
経年変化を感じることができる部分もあるが、革じゃないのに頑丈だったのが印象的な財布だ。
当時はレプリカのデニムを履いていることが多く、おしりのポケットで財布の保管をしていた時期だった。
なのでおしりポケットに入るサイズというのが、一番の優先順位でありコンパクトであることが大事な要素だった。
二つ折りは非常に便利ではあったが、カード類の収納には困る面もあった。
常に二つ折り財布はパンパンの状態だったが、どこかが破れたりほつれたりというのはほとんどなかったと思う。
今の鞄で管理するときとは違い、お尻のポケットで私の体重がすべて乗った状態で5年間を過ごしたわけだから、ボッテガだったらひとたまりもなかったと思う。
材質はおそらくPVCだと思うが、非常に頑丈な作りだったこともありヴィトンのエピなんかも後継候補だった。
革よりもPVCの方が頑丈なのか?
今でも海外旅行に行くときは、手軽に持てるこのヴィトンの財布を使うことにしている。
海外で過ごす時間は現地のお金というよりも、クレジットカードを使うことが多いため、今の財布では少し邪魔なんだな。
そういった用途で二つ折りはコンパクトにできるので、便利といえば便利。
ただ、どうしてもお札を折らないといけないことが許せない私にとっては、より電子マネー化が進まない限り二つ折りは使わない。
お札を有しない状況にならない限り、継続して長財布を使うと思う。
財布の経年変化を楽しむ意味では、変化が少ない財布と呼んだ方が良いのかもしれない。
エイジングが分かりづらいというか、変化が味にならないと言うか。
とても頑丈なことは間違いないんだけど、ただそれだけ。
やはり財布の経年変化を考えた場合には、それなりの革質を伴った財布を選ぶことに尽きるのだと実感する。
そういった意味を込めて、今までトップブランドのものから財布を選定していたが、経年変化による味出しを一番に考えて財布選びを行なった。
イルビソンテ
去年の1月から使い始めたイルビソンテの財布は、ちょうど1年が経過したところだ。
ボッテガやヴィトンに比べたら、イルビソンテはマイナーなブランドかもしれない。
でも、今回財布を選ぶ基準として、経年変化を楽しむという大きなテーマがあった。
このテーマを掲げた時から、ある程度イルビソンテになるんじゃないかなー?なんて気はしてたけど。
専門店が家から近いことも、購入を後押しする材料の一つだったのは言うまでもない。
財布の色味が黒なので、経年変化の具合がイマイチ分からない。わずか一年程度では変化が起きにくいのだと思う。
まとめ
財布の経年変化における過程について、3つの財布を元に話をした。
自分が使い込むことによって、どんな風にしていきたいのか?この未来の姿が明確に描けていると、ボッテガの時のようなことにはならないだろう。
イルビソンテは、店頭でエイジング後の状態を見せてくれるので育てるイメージがしやすい。
バケッタレザーをふんだんに使ったこの長財布の5年後が楽しみだ。
製造国の表記に大して意味がない今の時代であっても、イタリアの職人魂を見せて欲しいところかな。
イルビソンテの経年変化の具合については?
イルビソンテの経年変化は、その後どうなったのか?
もしくは、イルビソンテの長財布ってどんな仕様なんだろう?
そんな思いを持つ人は、以下記事が参考になると思う。
イルビソンテの長財布に決めた購買過程と、その後のエイジング具合について書き残している。