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高級腕時計の聖地と呼ばれる場所が東京にある。
『中野』
新宿から中央快速で僅か5分の距離にあり、2007年以降20年かけて都市の再開発計画が進行している、都内でも常に人気が高い街だ。
中野といえば、街のランドマークである中野サンプラザや、ポップカルチャーの発信基地である中野ブロードウェイ、昔ながらの昭和っぽい雰囲気を残した商店街「中野サンモール」がよく知られている。
その中でも中野ブロードウェイ内には、高級腕時計店が多いことが特徴と言えるだろう。
ジャックロード、かめ吉、ベルモンド、レンズ、大黒屋・・・
中野ブロードウェイだけで話が済むと思っていたが、ここ最近では中野サンモール商店街内にも高級腕時計を取り扱うお店が増えてきている。
まさに、高級腕時計店の超激戦地区なわけだ。
今日私が取材するのは、2015年に中野にオープンしたTHE WATCH COMPANY(ザ・ウォッチカンパニー)さん。
ひょんなことから話がトントン拍子で進んで、実際にお店を取材させていただくこととなった。
ということで20数年ぶりに中野に降り立ったわけだが、すでに約束の時間から10分が経過していた・・・
中野にある高級腕時計店『THE WATCH COMPANY』はどんなお店?
事前に連絡を入れていたとはいえ、まさか遅刻するとは思わなかった。
中野サンモールは平日夕方の時間帯ということもあり、とにかく人で混み合っている。
帰社途中のサラリーマンやOL、部活帰りの学生や、買い物中の主婦、観光中の外国人に、デート中のカップル等、
こんなに混雑しているとは思わなかった。
ただ、お店の場所が中野サンモール内をまっすぐ3分ほど行った、分かりやすい場所にあるため迷うことなくお店を探し当てることができた。
ザウォッチカンパニーに到着
『TWC』
深いブルーで統一された外観がザウォッチカンパニーの目印、店内ライトに照らされた高級腕時計の輝きが外にいても一際眩しく感じる。
約束の時間に遅れていることを思い出した私はすぐさまお店に入り、店内にいた女性スタッフに取材の件で伺った旨をお伝えした。
来店する前のイメージとしては、高価格帯の商品を取り扱っているという先入観から、『敷居が高いのでは?』と若干身構えてしまっていたがそれはただの杞憂に終わる。
TWC中野店の雰囲気
高級腕時計専門店に入ったのは、銀座のエバンス以来かもしれない。
ロレックスのサブマリーナを購入してから17年が経過したが、あの日以降縁遠いものとなっていた。
奥の接客カウンターに通され、中野に出店するきっかけ等、色々と話しを聞かせてもらうことにした。
取材にご協力いただいたジェシカさんとチンさん。
お二人ともに日本語が堪能で、とにかく親しみやすい人柄が印象的。
THE WATCH COMPANY(ザ・ウォッチカンパニー)の設立は2015年、今年で5年目を迎えることになる。
東京中野に出店した理由は、ここが日本で一番のマーケットだったから。
ザウォッチカンパニーの店舗があるのは中野だけ。
他はWEB通販がメインとなっている。
冒頭にも紹介したように、中野は高級腕時計に関して超激戦地区であることは間違いない。
その厳しい状況の中でも事業を継続できていること、売上を伸ばしているところは大きなポイントだと思った。
THE WATCH COMPANY(以降TWC)の最大の強みとはどこにあるのだろうか?
TWCのスタッフは基本バイリンガル
TWCのお客様比率は、8割が日本人で2割が外国人観光客で構成されている。
私が取材した日は、この比率が5対5くらい高いものだったと記憶する。
なので、日本人だけではなく多くの外国人観光客が高級腕時計を買いに来る。
取材に対応してくれたジェシカさん、チンさんは日本語と他にもう1ヵ国語が話せる。
基本的に他のスタッフの方も、バイリンガルの人しかいないわけだ。
日本語だけしか話すことができないお店とは異なり、外国人観光客の多いこの街では大きなアドバンテージとなっている。
この日もSUPREMEで全身身を包む中国人青年実業家らしき人物が、ロレックスのデイトナを探している様子だった。
様々な言語に対応できるコミュニーション能力は、他のお店にない明確な強みの一つだろう。
直接買い付けによるローコストオペレーション
TWCは店舗とは別に、海外で商品調達を行うバイヤーチームが存在する。
現地ディーラーとの直接買い付けを行うことにより、二次卸等の中間マージンが掛からない。
こなれた金額で売価設定ができる。
店舗の売れ筋データを元に、バイヤーと綿密な連絡を取り合うことで必要なものを必要な単位で確保することができる。
人気の高い高級腕時計を比較的安価な価格で手に入れることができるのは、この規模のお店だからこそできる強みだと感じた。
取扱ブランドは30種以上、商品数は3000本以上
ロレックス、オメガ、ハミルトン、パネライウブロ・・・
取り扱うブランドは30以上、本数は3,000本以上。
順次新しいモデルを買い付けているため、本数は増加傾向にあるとのこと。
そのうち日本ブランドのものは、奥側にあるショーケースにまとめられている。
グランドセイコーや、シチズン、カシオ等の日本ブランドも揃っている。
これだけの高級腕時計に囲まれた状態は、圧巻としか表現ができない。
ここで一番気になるお店の売れ筋モデルを聞いてみることにした。
売れ筋No.1はハミルトン
個人的にハミルトンが一番の売れ筋というのが意外だった。
しかも、三角形のフェイスが特徴的なベンチュラが結構な割合で購入されているらしい。
これだけ斬新なフェイスをしていながらも、意外に歴史が古く誕生から60年が経過しているハミルトンを代表するモデルだったりする。
ベルトは留め金のないタイプなので、そのまま着脱が容易にできる伸縮タイプのフレックスバンドを使用。
フェイスだけではなく、ベルトを含めた全体で見ても随所にハミルトンのこだわりが詰まったモデルと言えるだろう。
プレミアム腕時計の代名詞『ロレックスデイトナ』
人気が高く市場在庫自体が少ないロレックスのデイトナ。
売れ筋を紹介するのであれば、私の私物でもあるサブマリーナやエクスプローラーが定番だと思う。
ただ、これは身の回りにいる人間が着用している比率が高いだけで、デイトナは常に人気のモデル。
人気がありすぎて常にプレミアム価格でしか購入できない、高級腕時計の代名詞的存在となってしまった。
資産価値を考えて腕時計を見た場合、ロレックスの人気モデルはその価値が保証されているため今後も上昇傾向にあることは疑いの余地もないと思う。
そもそも今回紹介するコスモグラフデイトナは、2016年にバーゼルで紹介された新デザインのモデルで定価自体は1,274,400円。
でも、普通に手に入れることがほぼ不可能なため、市場流通価格は上がりっぱなし。
現在は2倍の金額を出しても買えないほどの価格となってしまった。
今日以降、もう二度とロレックスのデイトナを自分の腕に巻く機会は無いだろう。
筆者が今一番欲しい時計はIWCのポルトギーゼ
映画『マイアミバイス』でジェイミーフォックスがIWCポルトギーゼをしていたことがキッカケで、私はこの時計に惚れてしまった。
精悍で大ぶりなフェイスデザインに、黒一色の文字盤・革ベルトという大人のメンズに相応しい要素を全て満たしたモデルだ。
ポルトギーゼは1998年に販売するや、IWCを代表するモデルにまで登り詰めた。
デザインだけを模倣した廉価版ブランドは多数あれど、本物が持つ輝きには到底及ばない。
スイスの超一流の職人が生み出すIWCの時計は、質実剛健なことは言うに及ばずアウターフォローも手厚い。
製造時期に限らず、すべての時計の修理受付を行っているのはIWCと一部の老舗ブランドのみ。
デザイン・品質・アフターフォローが万全で、価格は抑え気味。
個人的な想い入れを除いて考えてみても、これ以上のモデルが他に存在するのだろうか?
パネライ ルミノール1950
重い・・・
実際にパネライの腕時計をはめた時の素直な感想だが、これは悪い意味での『重さ』ではない。
パネライの最大の中核価値であるデカフェイスにこそ、男心をくすぐられる要素が詰め込まれているのだ。
元はイタリア海軍の特殊潜水部隊のために作られた、軍用時計を発祥としているだけありその信頼性は疑いの余地がない。
ビジネスシーンで使うことはできないが、私のように私服通勤の人間にとってパネライの腕時計ほど自己主張が強いモデルも少ないと思う。
パネライを外した後に、サブマリーナを付けると何だか拍子抜けしてしまうほど、その時計の持つ重みは威厳を表しているのかもしれない。
何本も所有できる財力があったら、確実に手に入れておいきたい素晴らしいモデルと言えるだろう。
チューダーはロレックスの廉価版ではない
チューダーのヘリテージブラックベイは、とりわけ私の心に残るダークホース的な存在となった。
2012年にチューダーのフラッグシップモデルとして発表された『ヘリテージブラックベイ』は、ダイバーズウォッチの信頼性・機能性を十二分に保持したコスパの高いモデルと言える。
1970年台のロレックスサブマリーナデザインを踏襲しつつ、チューダーのアイコンである盾が装飾されている。
ネイビーとレッドのツートンカラーが、遊び心を感じさせるところも個人的に好きになったところ。
画像だと分かりづらいが、この2トーンカラーは大人のメンズに身につけるに相応しい。
落ち着いた色合いのモデルなのでデザイン性については、是非実物を店舗で見てほしいね。
近未来的なデザインが売りのウブロクラシックフュージョン
最後に紹介する時計は、私のいつもの趣向とは異なるモデルをチョイスしてみた。
ウブロのクラシックフュージョン。
ウブロは他の時計ブランドと比べると1979年創業と、比較的歴史の浅いブランドだ。
ウブロの名を広めたモデルと言えば『ビッグバン』が有名だが、独創的過ぎるデザインがどうしても受けつなかったためシンプルなものを選んでいる。
今までの高級腕時計では考えられない独創的な素材選定と、前衛的なデザインが受け入れられたことが大きく売上が4年間で10倍にまで飛躍する。
チタンやカーボンを使った高級腕時計は、どことなく異端児的な印象だが業界内での評価はうなぎ登り。
『斬新さ』『新進気鋭』なんて言葉が好きな好奇心旺盛なメンズにこそ、おすすめできるブランドなのだろう。
TWCで自分好みの高級腕時計を探し出せ!
高級腕時計店の激戦地区で飛躍を遂げる『TWC』と、定番で人気の高級腕時計6本を紹介させてもらった。
TWCがラインナップする腕時計は新品だけではない。
状態の良い中古品も多数取り揃えているし、当然買い取りも行っている。
今の手持ち腕時計を売却して、新しいモデル購入を考えてる方は一度見積もり取得だけでもしてみてはいかがだろう?
比較的手の届きやすい3万円台から、家が一軒買えるほど高価な3,000万円クラスの時計まで、そのラインナップの多さに圧倒されるはずだ。
高級腕時計を検討中の方は、是非TWCに行ってみることをおすすめする。
きっと自分の望む最高のモデルに出逢えるはずだから。
TWC中野へのアクセス
クロース大佐おすすめの高級腕時計
高級腕時計には、メンズの本能を掻き立てさせる要素がふんだんに盛り込まれている。
・ステータス
・優越感
・自信
・モテ要素
・所有欲
実際にTWCを取材してみて、高級腕時計の魅力に改めて気付かされた私は、私物のロレックスサブマリーナ以外で何がほしいかまとめてみた。
高級腕時計を検討中のあなたも参考にしてみてほしい。