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ダルチザンの色落ちは結構時間がかかる。
購入前のWEBの情報などに書かれた内容を見るに、相当履き込まないと縦落ちが刻まれていかないようだ。
育てるのにどれくらいの時間が掛かるのか・・・
リジットもしくは、ワンウォッシュの状態から育てるデニムを履くのはこれが最後になるだろう。
最後になるのであれば、ゼロの状態からはじめてどの程度色落ちしていくのかを定期的にレポートしようと思った。
定点観測した内容を、3ヶ月タームで更新していこうと思う。
ダルチザンの色落ちについて、これから複数年にわたり継続更新していく。できるだけ詳細にお伝えできればと思う。
ダルチザンの色落ちを定点観測|デニムの特性
デニムを育てるのは17歳のときに買ったドゥニーム以来なので、約20年振りのことになる。
当時はインターネットなんて無かったし、入ってくる情報も限られていた。
20年振りに購入したのはダルチザンのSD-107、同ブランドで一番タイトなシルエットのモデルになる。
今回思ったのは、ダルチザンの色落ちはかなり時間が掛かるということ。であれば、どの程度履いた段階でデニムに変化が起こるのか?
なので、今後3ヶ月毎くらいに定点観測した内容を更新していく。
変化の度合いを見て、これから自分が買うダルチザンジーンズのイメージを膨らませてみてほしい。
仕様
BRAND:STUDIO D’ARTISAN
MODEL No.:SD-107
Oz:15
WASH:ONE WASH
SIZE:32
2018.5.29
記念すべきダルチザンデニムを購入した日。
これからダルチザンデニムの色落ちについて定点観測していくわけだが、まずは買ったばかりの今の状態について各部を見ていくことにしよう。
バックポケット
この毛羽立ちのある生地が懐かしい・・・
バックポケットにステッチがデザインされているモデルを履くこと自体、一体いつぶりのことだろう?
カモメ?のようにも見えるステッチが示す意味について、調べてみても良く分からなかった。店員さんに聞けば良かったと今さら後悔している。
レザーパッチ
リーバイスは2頭の馬が1本のジーンズを引き合う様を表す『ツーホースロゴ』があまりにも有名だが、ダルチザンは2頭のブタがデニムを引っ張り合う『ツーピッグロゴ』。
遊び心を感じさせてくれる。
ワンウォッシュの時点で、レザーパッチの風合い自体が相当ヤバい。
日本にデニムが入ってきたのが戦後と歴史が浅い中、ダルチザンは1979年に設立された。レザーパッチのサイズ欄の上に記載されている。
1986年に後のレプリカデニムの金字塔とも呼ばれる『DO-1』を発売。
当時のトレンドがケミカルウォッシュ全盛だったこともあり、まったく売れなかった。
それでも、一部のマニアやお店からは高い評価を得ていた。
白タグ
『RECONSTRUCTION OF GREAT OLD THINGS』
日本語で言う『温故知新』を指す言葉。
意味合いとすれば、「昔のことを研究すると、そこから新しい考えや知識を導き出せる」ということ。
ジーンズの本質を追求し、日本の伝統技術を融合、フレンチワークパンツのシルエットを取り入れて作られた「DO-1」はこの温故知新という言葉が最も当てはまる。
以降、ブレない本質を追求する考えは変わらず、独自のプロダクトを生み出し続けている。
この辺のストーリーが、より購買意欲を刺激するんだろうな。
隠しリベット
バックポケットの裏地を見ると、リベット打ちされているのが分かる。
リーバイスが最初に開発したリベット打ちのジーンズは、今ではヴィンテージデニムを構成する重要なワンポイントとなってる。
鉱夫達の激しい労働にも耐えられるように、リベット打ちの補強を加えたパンツがデニムの最初の起源だ。
バックポケットの表面から見ても、リベットを打ってることが分からない。
オフセットセンターループ
ベルトループの後方センター部についての仕様のこと。
1950年代当時の縫製技術では、厚手のデニム生地を何層にも重ねて縫い付けることが難しかった。
ベルトループをセンターポジションではなく、少しずらしたところで縫い付けることで、生産効率改善を図った。
以降、縫製技術は格段に上がり、また元の仕様に戻った。これを機に、オフセットセンターループを採用したモデルは、市場から姿を消すことになる。
ヴィンテージを再現する大事な構成要素のひとつであるのとともに、床などの硬い面に寝っ転がるときに「腰を痛めない」有効な処理でもあるわけだ。
青耳
ヴィンテージデニムの雰囲気を醸し出す要素として、最も分かりやすい部分が通称『赤耳』と呼ばれるセルビッチ。
ヴィンテージレプリカのセルビッチ付きジーンズを、この世で最初に出したのはダルチザン。
アメリカでもヨーロッパでもなく、日本のダルチザンが初なのだ。
後の1990年代に爆発的に流行ることになる、レプリカデニムブームを作るきっかけになったのは紛れもなくダルチザンの功績によるもの。
ダルチザンのレプリカデニムが出るまでは、ヴィンテージやセルビッチという概念自体が無かったことが驚きだった。
日本のデニムが世界に評価されるようになったソースを辿るとダルチザンに行き着く。
ダルチザンのSD-107には、青いセルビッチが使われているので赤耳ならぬ青耳。
セルビッチの色で何か違いがあるのかと言えば、特には無い。
Dartisanロゴ
唯一個人的に好きではないところを上げるとすれば、デニムの右ポケットコインポケットに付された「Dartisan」のロゴ。
これは無くてもよかったんじゃないかな・・・
すべてが完璧なジーンズは存在しない。
個人的な主観の問題なので気にならない人は、特に問題になる部分でもないね。
まとめ
ダルチザンがどんな位置づけのブランドなのか分かったと思う。
ダルチザンの色落ちに関しては、今後定期的に更新をかけてお伝えして行く予定だ。
レプリカジーンズの元祖であるダルチザンデニムは、どんな色落ちをしてくれるんだろう。
これから長い付き合いになるが、我が子のように大切に育てて行きたい。