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『雲の上を歩いているようだ』
この言葉はラルフローレンがニューバランスM1300を履いた際、その履き心地の素晴らしさを絶賛した、あまりにも有名なフレーズ。
実際に日本で発売した時の価格は、39,000円と非常に高額だった。発売された以降はラルフローレンの名言も後押しとなり、高額でありながら飛ぶように売れた。
高級スニーカーでありながら未だに人気は衰えることなく、発売以降その評価は『スニーカー界のロールスロイス』と称されるほど。
1300の発売開始から9年の歳月を経てリリースされたのが、後継モデルになるM1400になる。
3万円近い高級スニーカーでありながら、店頭に並ぶと即完売。94年に発売してからというもの、今でも人気が衰えることはない。
今回はスニーカーのマスターピースであり、高級スニーカーとして不動の地位を築いたニューバランスのM1400について話をさせていただこう。
スニーカーのマスターピース『ニューバランスM1400』をレビュー
高級スニーカーたる所以は、どこを見て判断すれば良いんだろう。
単純に値段の高いスニーカーなんて、NBのM1400以外にも数多存在する。
ドレスシューズをメインで取り扱うジョン・ロブやベーメル、サントーニのスニーカーは確かに高級だ。
価格としてもスニーカーとは思えない、6~8万円がレンジの商品。
でも、別に欲しいとは思わないんだ。
価格が高いスニーカーを『高級スニーカー』と一括りで話ができない。
ニューバランスのM1400は、市場で受け入れられている人数が圧倒的に違う。
なので、高級スニーカーの定義として価格の他に需要を加味して、NBのM1400を選んでいることをまずお伝えしておく。
だからスニーカーのマスターピースを称されるわけだ。
ニューバランスM1400 開発ストーリー
そもそも、その開発に至るストーリーからして虜にされてしまう要素を持ち合わせている。
1989年にニューバランスは、M1500という商品をリリースしている。数字の桁数で言えば1400が先にくるべきところ、なぜ1500なのか。
EVAが一層カットのミッドソールが主流だったが、一体成型の二重構造によるミッドソールを採用したことで話題を呼んだのが1400。
EVA素材とポリウレタン素材それぞれを独自に包み込む形状にした、当時としては非常に技術的に難しい構造。
その画期的な構造は当時の量産手法に採用することができず、先に1500を投下する。量産の目処が立った1994年に晴れて1400を発売できた経緯がある。
基本的に車でもそうだけど、モデルチェンジする際に良いモデルが続いて投下されることは少ない。
モデルチェンジに対するプレッシャーなのか、続けざまに名作が生まれることは少ない気がする。
M1500はデザイン的にハイテクとローテクを混ぜた、チャレンジを感じさせるものだった。
でも、記憶に残るのはM1300やM1400なんだよ。
ニューバランスM1400 クラシックなデザイン
何よりも、そのクラシックなデザインが長年人気が高い理由なんだろう。
先端が細すぎず太すぎずのモデルがM1400、もう少しシャープなものが欲しい人は996かもう少しマイナーな997がベスト。
ニューバランスで細身ロングノーズなデザインを探している人は、M990なんかも対象に上がると思う。
この3足を純粋に比較した記事が以下になる。ニューバランスで細身のスニーカーを探している人は、参考になるはずだ。
>>>ニューバランスのスニーカー|990、997、1400を比較
ローテクなデザインでありながら、使われる技術は最先端。
ナイキやアディダスのように、見た目から技術力の高さを感じさせる機能的なデザインではなく、シンプルな永久不変のもの。
そのいつまでも変わらない普遍性が、高級スニーカーたる所以でもあるわけだ。
時代を超越していつまでも求め続けられる存在。
『オーセンティック』という言葉は、NBのM1400のようなものに使われるのが適切なんだろう。
ニューバランスM1400 高級素材と最新技術
高級スニーカーと言われるだけあって、使われてる素材自体も高価なものばかり。
アッパー素材は贅沢な天然皮革を使っている。
革種はピッグスキンスエード、鈍い輝きがやり過ぎ感がなく、自然に高級そうな雰囲気を醸し出している。
ナチュラルに、大人が履くのに相応しいスニーカーの条件を満たしているんだ。
M995などの復刻モデルについては、ウルヴァリン社のブーツにも採用される高級ピッグスキンを使ってるものもある。
このピッグスキン部と、メッシュ部のグレーカラーのコントラストが何とも堪らない配色なんだ。
M1400SB(スチールブルー)は、ニューバランスのフラッグシップモデルの中でも、特に存在感が際立った逸品なのだ。
ニューバランスM1400 クッション性能
クッション性はC-CAPとENCAPの両方を搭載したものとなっている。
C-CAP:EVA素材を圧縮成型しクッション性能の持続力を大幅に向上。軽量化を実現したライトウェイトタイプもシューズに応じて使用。
ENCAP:衝撃吸収性に優れたEVA素材を頑丈なPU素材に封入した構造。ハイレベルの安定性とクッション性を実現 NEW BALANCE
二つの技術を融合することで、名作であるM1300の履き心地を更に進化させた。
一日中履いても疲れない。
その理由はこの機能性によるところが大きいんだろうね。
ニューバランスM1400 袋縫い(マッケイ製法)
袋マッケイ製法とは、靴の外周にそって縫い付けるのではなく、包み込むように中央部分で縫い合わせる技法を言う。
これは非常に手間の掛かる作業らしく、現在では限られたモデル(996と1000番台のモデル一部)にしか採用されていない。
メイドインUSAのモデルのみ、この袋縫いの製法を取り入れているため生産地域がアメリカになる。
その結果、工賃が東南アジアで生産するものより跳ね上がり価格も高くなる。
というよりも、ニューバランスはやはりMade in USAだから良いんだ。
ニューバランスM1400 毛玉になりやすいヒールカップ
良いところだけなら良いんだけど、当然駄目なところも存在する。
その一つがヒールカップにできる毛玉の存在。
1年も履いた頃、履き方によっては毛玉が目立つようになる。
このヒールカップ内側素材に関しては、個人的には別のものに変更してほしいところ。
ニューバランスM1400 1000番台は高額
高級スニーカーだけに高額なのは仕方ない。
ニューバランスを代表するフラッグシップモデルとなる1000番台は、すべてUSAメイドのものになる。
中国や東南アジアではなく、アメリカやイギリス等で生産されている。しかも、基本的に靴職人が一足一足を丁寧に仕上げるため工賃が高くなる。
アジア地域で生産されるモデルMRL996等のモデルとの価格差は、約2倍にもなる。
とはいえ、このメイドインUSAという部分がこだわりのポイントでもあり、購買の決定要因の一つでもある。
絶対に外してはいけない要素の一つでもあるため、今後もアメリカ生産は変わることはないと言えるね。
ニューバランスM1400 まとめ
すぐそばにあったナイキのTABASと履き比べてみた。
同じサイズながら、履き心地は圧倒的に1400の方が上。価格差は2倍以上の高級スニーカーだけに、当然と言えば当然なんだが。
ナイキはフィット感が強く(おそらくサイズが小さめなため)、衝撃吸収性は1400ほどではない。
車で例えれば、スポーツカーと高級車の違いくらいに差がある。
ニューバランスの高級スニーカーM997との比較。
私はスポーティな履き心地のM997が好きだ。
ただ、踵骨棘を患ってからというもの、M1400の履き心地に再度感銘を受けたことも事実としてある。
トヨタのクラウンのような乗り心地、いや履き心地なのがM1400なんだ。
その不思議なホールド感は、履いた人間にしか分からない。
歩きやすさを重視するあまり、最近4歳の長男もニューバランスデビューを果たした。
これで家族全員がニューバランスのスニーカーを履いていることになる。
履き心地の良さは圧倒的にニューバランスが素晴らしい。
だから、これからいくら価格が上がってもNBのスニーカーを買うんだろうな。
雲の上を歩いてるような・・・
その表現はあながち間違いでもない。
何よりも素晴らしいスニーカーなのに変わりはないのだから。
是非一度足を通してみて欲しい。
その履き心地は、あなたに新しい衝撃を与えることになるだろう。
ニューバランスM1400 ネイビーの色褪せを復活させる?
M1400の種類はSBだけではなく、スエードタイプのモデルも存在する。
やっかいなのは、スエードは経年変化とともに色褪せしてしまうということ。
画像のモデルは私が履いていたM1400のネイビーモデル。
一目見た段階で、これがネイビーだったと思う人は一人もいないだろうね。ここまで色褪せが進行してしまうことがある。
でも安心してほしい。
ニューバランスのM1400ネイビーは、復活させることができるのだ。
スエードの補色作業に必要なアイテムと費用、それに掛かる時間については以下記事でまとめている。
今現在、自分M1400のスエードモデルを所持している人、退色して処分しようか迷ってる人は以下記事を参照してから判断しても遅くはない。
ニューバランスM1400のスエード色褪せは、復活させることができるのだから。