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アウターの種類は何種類あると思う?
頭のイメージだけで思い浮かべても、意外とわからない。
メンズファッションにおいてアウターの存在は、野球で言うとピッチャーみたいなもんだ。
冬のメインアイテムというだけではなく、コーディネートの顔にあたるもの。
今日紹介するのは、数あるアウター種類の中でも、毎年定番で使えるものを18個紹介する。
ここをまず押さえることで、自分のワードローブに何が必要になるか、また来年は何を足していけば良いかが分かる。
自分のコーディネートにおけるロードマップを引いてみよう。
ということで本日はアウターの種類について、話を進めさせていただく。
毎年人気で定番のアウターはこの17個を押さえる
毎年様々なブランドから新商品が出るが、クラシックなデザインのものであれば長い期間に渡り活躍してくれるだろう。
何よりも定番で使えるものを足していく意識で、買い物を進めればコーディネートにも偏りがおきない。
今年ダウンを買って、来年もダウンを買う。選択として決して間違いではないが、コーディネートに幅を持たすことができない。
まずはアウターの種類を正確に把握して、自分の取り入れられるスタイルのものがどれなのかを決めよう。
ダウンジャケット
冬の定番アウターと言えば、ダウンジャケットが一番人気が高いんじゃないかな。
モンクレーやカナダグースなど、10万円を超える価格帯のものが飛ぶように売れていく。
最も防寒性が高く、重厚なアウターに分類されるのがダウンジャケットになる。
ブランドによるところはあるにせよ、暖かさのレベルは他のアウターを大きく凌駕する。
着ることができる期間としては、11月末~2月までの一番寒い時期。
着用期間3ヶ月強のアイテムに、10万以上の投資をできるかが選定のポイントになる。
人気ブランドのものになると価格は15万~20万を超えるため、買える人はかなり限られるね。
それでいて素材の特性から言えば、一生モノにはならないのでよくよく検討することをおすすめする。
⇒ ダウンジャケットのおすすめブランド5選!予算15万で考察
チェスターコート
チェスターコートは、ビジネスとカジュアルに両方使える優れたアウターだ。
日本には厳格なドレスコードがないため、あまり気にされる方も少ないかもしれないがパーティシーンにも使えるものは、今回18種紹介する中でチェスターコートのみ。
これだけ着るシーンを選ばないアウター種類は他にはない。
身長が低い人が合わせるのにも有効なので、一枚で多用途に使いたい人向けにおすすめできるアウターということになる。
ロング丈の物は着る人を選ぶため、ミドル丈のものを購入しておけば間違いない。
シンプルに着る人をスタイリッシュに見せてくれる、キレイ目コーデに必要な要素を全て持っているアウターなのだ。
単純にモテたいメンズが取り入れるのに、一番最適なアウターとも言い替えられるかな。
トレンチコート
私が思うトレンチコートのイメージは、真冬の親父世代のサラリーマンが着る哀愁漂うアウターという認識だった。
自分が大人になって思うのは、カジュアルな装いにもぴったりマッチしてくれる万能なアウターだったということ。
トレンチコートの代表的なブランドといえば、バーバリーやマッキントッシュが挙げられるが、この辺のブランドであれば長い期間に渡り着ることができるだろう。
決して廃れることがない、老舗ブランドであり、余程のことが無い限り人気が下火になることもない。
15年前にバーバーリー(三陽商会モノ)のトレンチを買ったが、今でもまだ着ることができる。
シングルとダブルのデザインに分かれるが、ベーシックなのはダブルのもの。
バーバリーチェックがチラ見えするところが、若い時にお気に入りのポイントだった。
大人っぽいアウターの代表ということで、30代以降のアクティビスタ世代にとって活躍頻度の高いアウターなのは言うまでもない。
ダッフルコート
ちょっとかわいらしい雰囲気を演出したいとき(そんなときってどんなとき?)、ダッフルコートはあなたの希望を叶えてくれるだろう。
ダッフルコートとニットコートに共通する部分になるが、フードとトグルのバランスによってこのかわいさは成立してると感じている。
個人的な好みでいうと、タイトなものを選ぶよりも少しゆったりしたシルエットの方がダッフルっぽさを感じることができる。
これがかわいさに通じる部分になるのだが、他のコート系アウターとの差別化ポイントはここに集約されていると見ている。
そんなかわいさなんて必要ない!という人には、色で選んでみることをおすすめしよう。
ネイビーやグレー等を選ぶよりも、ブラックを合わせることで自然と大人っぽさを演出することができるだろう。
素材にメルトンを用いたものが多いため、ある程度重みがあることは事前に理解しておこう。
嵩張るアウターなので、私は活用頻度が低いものの、たまにスパイス的に用いるアウターとして考えると便利だよ。
⇒ ダッフルコートのメンズ着こなしで、最も大人っぽい色は黒!
Pコート
高校生が着る制服の上に合わせるアウターといえば、私の世代はPコートだった。
私は高校生時代にSchott(ショット)のPコートを着ていた記憶が強いせいか、おとなになってからPコートを買った試しがない。
買った試しは無いのだが、今ほしいアウターの一つがPコートという矛盾が気持ちの中にあるわけ。
なんでこんな感情が生まれたかと言えば、当然高校生よりもむしろ40代の方が着こなしがハマると思うから。
元々ピーコートの起源として、真冬の海で作業する漁師が着るためのアウターだった。
海軍が海上での防寒着として採用していたことから分かる通り、男が着るべきアウターの条件をすべて満たしている。
風の侵入を防ぐために、風向きに合わせて左右どちらからも留めるよう、デザインされている。
基本的にメイン素材に使われるメルトンウールは、耐水性があり非常に頑丈に作られているためちょっとやそっとの雨風であればびくともしない。
ダッフル同様にメルトンを使っているため、重たさはデメリットの一つにはなるものの、シワになりにくく丈夫なので扱い易いというメリットも多い。
キルティングジャケット
上品な雰囲気のキルティングジャケットは、何よりもその『軽さ』が一番のメリット。
軽さは良いんだけど見た目はペラペラな印象なので、真冬に着ることができるのか心配になる人も多いかもしれない。
中綿入りでキルティング加工されているので想像以上に温かく、スーツとの相性も良いことからビジネスシーンに用いられることが多い。
LAVENHAM(ラベンハム)やTraditional Weatherwear(トラディショナルウェザーウェア)が有名。
寒さの厳しい冬場には、どうしてもボリューム感が気になるところ。すっきり着こなせるデザインのものを探している人にピッタリなアウター種類と言える。
デザイン的にも、大人が着こなすに相応しい無駄を省いたシンプルなものなので、細身なコーディネートが多い人におすすめしたい。
スタジアムジャンパー
通称『スタジャン』の相性で親しまれているスタジアムジャンパーは、アメカジを代表するアイテムの一つであり、クラシックな定番アウターの一つ。
生地素材はメルトンなどを使い、袖部分にレザーを使ったものが多い。
カレッジを代表する頭文字の英字ロゴが付いているものが多いが、シンプルに何もロゴが入っていないものが長く使える。
私の所有するSHIPSxGBスポーツのものは、別注ということもあり比較的タイトな作り。
基本カラーはメルトン生地部分と袖のレザーで分けてるツートンタイプが多いが、同色でまとめたものシンプルかな。
質感が良いものであれば、極力シンプルにまとめたものの方がコーデ大人っぽくまとめることができるだろう。
ソリッドにオールブラックでまとめてみることを推奨してみた。
⇒ スタジャンのメンズコーデは黒を選ぶ!シックで大人な雰囲気
ニットコート
ダッフルコートと同様に、私は見た目のかわいさが気に入って冬場はよく着てる。
ざっくりとしたニット生地が、見た目として安心感とかわいさの両方をもたらしてくれる。
具体的にかわいさと思えるポイントについては、別途記事で紹介しているように『フード+トグル+ニット』の組み合わせにある。
この3つのパーツを足し合わせたことによる相乗効果こそ、女子ウケという観点も含めかわいさに繋がっているわけだ。
単純にかわいいだけだったら、定番アウターの種類に含めることはしない。
ニット生地は通気性が良い分、冬場の防寒性に疑問を抱く人もいるだろう。
ここについては、裏地を付けることによって回避するモデルも多い。表面に毛玉ができやすいのが玉にキズであるものの、これに代わる種類のアウターは意外にない。
ニットコートはワードローブがキレイ目なアウターばかりの人に、是非にもおすすめしたいモデルと言える。
⇒ ニットコートでメンズのモテ度3割増し?ダッフルタイプが◯
ステンカラーコート
昔はトレンチコートのシングル仕様のものを『ステンカラーコート』と読んでいるのだと勘違いしていた。
勘違いだと思ったが、ステンカラーコートは元がトレンチから派生したものなので、デザイン的な雰囲気はよく似てる。
後ろ襟が立ち上がり、ラグランスリーブなものが主流。最近は撫肩を強調してしまうからか、普通の袖デザインのものなども増えている。
ベージュやネイビーという地味な雰囲気のトレンチとは異なり、最近はカラーも豊富にある傾向だ。
黄色・青・赤など、かなりポップな配色のものも増えている。
真冬に着るというよりは、春先に合わせて着こなすアウターという印象が強いね。
レザージャケット
男は黙ってレザージャケット、ではないにせよ大人が着るべきアウター種類の一つなのは言うまでもない。
シンプルなデザインのものを選んでおけば、向こう10年近く着続けることができるし、着込むことによってエイジングも楽しむことができる。
ライダースジャケットの記事で触れているが、個人的に長く着ることを考えたらシングルデザインのものがおすすめ。
ハードな印象になりすぎてしまうことを嫌うメンズも多いと思うが、30代こそ勇気を出して着てみよう。
購入時の選定ポイントは、価格・品質・デザインの3つ。
これをもっとブレイクダウンしていくと、価格(予算10万)・品質(革質)・デザイン(シルエットと色)ということになる。
詳細は以下記事でお伝えしているので、長く着られるレザージャケットを探しているメンズは参考にしてほしい。
M-51(モッズコート)
モッズコートにベスパと言えば、小学生の頃に見た『探偵物語』を思い出す。
松田優作が演じる探偵「工藤俊作」の着こなしが、ものすごく格好よく見えた。
日本人なのに、なんであんなにスタイリッシュに着こなせるのか?
M-51は1950年代に採用されたアメリカ軍用の防寒着であり、別称でモッズコートとも呼ばれている。
M-51という型番よりも「モッズコート」という呼称が有名。
大量に払い下げされたものが、1950~60年代イギリスの若者ファッション(この頃の文化的な要素すべて含めたもの)に受け入れられた。
この頃に流行った若者ファッションを『モッズ』と呼び、そのモッズが好んで着ていたことからモッズコートと呼ばれるようになった。
着丈が長く、身幅も太めなシルエット。
ざっくりと羽織る雰囲気なので、タイトなものではなくゆったりとしたシルエットが今っぽい。
タイトな服ばかりだと、コーディネートも一辺倒になってしまう。それを回避するアイテムということも含め、検討してみても良いと思う。
M65
大人のミリタリージャケットというと、真っ先に思い浮かべるのがM65。
フロントに配置された4つのポケットがM65の特徴、M51の後継モデルとして開発されている。
私はM65と聞くと、WJKのモデルを思い浮かべてしまう。
10年以上前にはなるが、ここ最近のM65の中では最も完成度の高い商品だった。
ミリタリーウェアの中でも完成されたデザインだったこともあり、ファッションシーンにも数多くのブランドがこのデザインを取り入れている。
国内外問わず、映画やドラマの主人公がよく着るアウターとして、私の記憶の中に残っている。
ロバートデニーロ扮する『タクシードライバー』が鮮烈に頭に残ってるが、映画から受ける影響が大きかった。
N3B
M-51と同様1950年代に、アメリカ空軍の防寒用ジャケットとして採用されたフライトジャケットの1種。
内側にボアが付いた仕様のものが多く、極寒地での使用に耐えられる防寒性能はアウター種類の中でも最も高い部類に入る。
防寒性・保温性を確保するため、ファスナーで留められるのと同時にボタンはループ留めできるものになってるのが特徴だ。
これは手袋を付けたままでも、取り外しができるように工夫されているため。
数年前のMA-1のように、ミリタリーウェアは定期的に大きなブームが来るが、安定して毎年定番に入るのがN-3Bだろう。
N3Bの完成形と言っても過言ではないwjkのモデルについては、以下記事で取り上げてる。
興味がある方は参考にしてみてほしい。
N2B
MA-1とN-3Bを足したようなシルエットなのが、N-2Bと言うと分かりやすいと思う。
ボア付きフード付きのショート丈アウターなので、身長の低い人が合わせるのにピッタリなアイテム。
MA-1はシンプルすぎる、N-3Bは着丈が長くて少しもっさりした印象だから嫌。そんな人には中間に位置するN-2Bが収まりが良い。
デザインだけではなく、N-3B同様にフード付きアウターなので、防寒性に関しても暖かさが保証されている。
MA-1
数年前に爆発的なリバイバルヒットを生んだMA-1。ショート丈のアウター種類の中でも、人気の高いモデルになる。
ミリタリーウェアとしては、一番シンプルなデザインということもあり、コーディネートの合わせやすさは抜群に良い。
元々軍用ジェット機のパイロットが着るフライトジャケットであり、私世代で言えばトム・クルーズ主演のトップガンから影響を受けた人も多いだろう。
ミリタリーウェアは基本的にグリーンを基調としているのは、他のものと共通だが裏地にはかなり明るめなオレンジ色を採用しているものがほとんど。
この裏地の色にもきちんと意味があり、飛行機から脱出した際に発見されやすくする目的で明るいオレンジ色を使っているのだ。
ナイロン生地で、オレンジ色の裏地と言えばこのMA-1と、ポーターを思い出す人が多いんじゃないかね。
リバイバルブームも落ち着き、人気が下火になるというよりは今後も定番で安定したものになると思われる。
マウンテンパーカー
マウンテンパーカーは、タウンユースに着こなすにはピッタリな仕様のものだ。
ここ最近はアウトドアブランドの人気が高まりを見せていることもあり、各種ショップとのコラボ別注モデルも多数存在する。
ノースフェイスやパタゴニアなどは、高級アウターと呼べるほどの高価格帯になり、私などはもはや普通に手に入れるのが難しい状態。
この人気は今後も継続すると思ってる。スポーツブームは終わるどころか、今後さらなる盛り上がりを見せると感じる。
最近購入したなかで、結構使えたのがボア付きのマウンテンパーカー。
フリークスストアのオンライン限定販売のもので、今期で3年目を迎えるもの。
毎年定番で人気なのが分かる。至れり尽くせりの3WAY仕様、こんなのあったら便利だよねという一枚に仕上がっている。
この辺は、また別途記事で紹介することにしよう。
ナイロンジャケット
コーチジャケットや、ウインドブレーカーなど、様々な呼び名を持つもの。
それを総称してナイロンジャケットという括りにしてみた。
よくよく考えれば、上に挙げたマウンテンパーカーだってナイロンのモデルは存在する。基本的にダウンジャケットは、ナイロン生地のものが多いだろうし。
あまり細かく分ける意味も特に無いため、上記で取り上げなかったナイロンメイン生地のアウターということにしておいてほしい。
まとめ
アウターの種類について、毎年おすすめできる17種類をまとめてみた。
冬に着るアウターとして、ここに載せたものを取り入れれば間違いない。
基本的にどのアウターにも言えることだが、洋服自体が大切に取り扱ったとしても劣化するのは早いものが多い。
これは価格が高いものでも同様なので、ある程度の年数でローテーションが起きることは必須なのだ。
ローテーションすることを踏まえて、価格と品質のバランスを見極め自分にピッタリなアイテムを選んでほしい。